ー全体的な状況と200の取組み事例を公表ー

地方銀行における「地域密着型金融」に関する取組み状況

2012年01月18日

一般社団法人全国地方銀行協会(会長 中西勝則)では、地方銀行64行における地域密着型金融に関する取組み状況の公表を開始いたしました。その第1回として、平成22年度の状況の取りまとめ結果を当協会ホームページに掲載いたしましたので、お知らせいたします。

地方銀行は、地域企業が直面する経営課題を共有し、ともにその解決に当たるということを社会的使命と認識し、そのために各行が個性ある地域密着型金融を実践しております。その取組みについてより多くのお客さまに知っていただくため、当協会ホームページ上で、業界全体としての取組み状況を公表することとしたものです。ホームページでは、全体的な取組み状況のほか、当協会初の試みとして、会員銀行の具体的な取組み事例を分野的に取りまとめ、掲載しております。
当協会では、今後も年1回、地方銀行の取組み状況の公表を行ってまいります。次回は、平成23年度の状況を、平成24年度上期中を目途に公表する予定です。

本件に関するお問い合わせ先

企画部 (新村、小森) TEL 03(3252)5171

概要

1.お客さまに対するコンサルティング機能の発揮

創業・新事業の開拓を目指すお客さまへのサポート

融資やファンドへの出資等を通じて事業立ち上げ時の資金需要に対応しました。また、地元大学、公的金融機関、地方公共団体等と連携し、新たな技術の製品化・商品化の支援を実施しました。

  • 創業・新事業支援融資実績 平成22年度中 562億円(前年度501億円)

更なる成長を目指すお客さまへのサポート

国内・国外における各種商談会の開催などによるビジネスマッチングや、海外進出ニーズのあるお客さまへの海外現地情報の提供等を実施しました。また、資金をより円滑に供給する観点から、不動産担保や個人保証に過度に依存しない融資として、動産・債権担保融資(ABL)にも積極的に取り組みました。

  • ビジネスマッチングの成約件数 平成22年度中 22,834件(前年度18,854件)
  • ABLの取組み事例…酒などの棚卸資産を担保とした事例、肉牛を担保とした事例、肥料・培養土製造・販売業者の在庫資産を担保とした事例 等

経営改善・事業再生等が必要なお客さまへのサポート

経営改善が必要なお客さまに対し、貸出条件の変更のご相談への対応や再生計画の策定を支援しました。また、事業再生が必要なお取引先に対し、デット・エクイティ・スワップ(DES)やデット・デット・スワップ(DDS)等を活用した支援も実施しました。

  • 経営改善支援取組み先のうち、
    再生計画策定率:62.2%(前年度50.5%)
    ランクアップ率:6.3%(同9.9%)
  • DDSの実績
    平成22年度中:157億円(同182億円)

2.東日本大震災にかかる取組み

平成23年3月11日の東日本大震災の発生に伴い、地方銀行各行は日本各地で直接的・間接的に被害を受けられた多くのお取引先の支援に取り組んでおります。こうした取組みを支援するため、地方銀行界では地方銀行のネットワークを活用し、様々な取組みを行っております。

  • 被災された方への取引銀行以外での現金代理払戻し、紛失した通帳等の再発行の取次ぎ
  • 被災地銀行への救援物資の提供、被災地への義援金の寄贈
  • 被災地の産品購入・観光地利用に関するカタログやパンフレットの地方銀行行員への配布

用語の解説

  • 動産・債権担保融資(ABL)…借り手の事業活動そのものに着目し、牛、豚、野菜その他の農畜産物等の動産や売掛債権を担保に資金を貸し出す仕組み。
  • デット・エクイティ・スワップ(DES)…債務の圧縮のため、既存の貸出債権の一部を当該お取引先に対する株式に振り替えること。
  • デット・デット・スワップ(DDS)…既存の貸出債権を他の債権よりも弁済順位が劣後する債権(劣後ローン)に変更すること。

地方銀行各行における具体的な取組み事例集