会長のご挨拶

会長所信

<会長所信>
平成29年6月14日

全国地方銀行協会
会長 佐久間 英利



 わが国は、本格的な少子高齢化・人口減少時代を迎え、さほど遠くない将来に人口が1億人を割り込むことが予測されています。また、地方から東京への人口集中が進んでいるほか、各地域においても都市部への人口集中がみられます。国内景気は緩やかな回復局面が続いていますが、未曽有の金融緩和政策を受け、預貸利ざやが縮小するなど、地方銀行を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いています。
 地方銀行各行が置かれた状況は地域によって様々であり、対処すべき課題、目指すべきビジネスモデルも異なります。しかし、私ども地方銀行は、「地域の発展なくして自らの成長なし」という共通認識のもと、地域のお客さまとの間に「共通価値」を創造し、これからも地域とともに歩んでまいりたいと考えています。


 全国地方銀行協会は、次に掲げる3つのテーマを今年度の柱に据え、地域の発展に向けた各行の取組みが着実に前進するよう、関係各位のご指導・ご協力も仰ぎながら、しっかりと役割を果たしてまいります。


(地方創生)
 第1の柱は「地方創生」です。地方版総合戦略の策定開始から3年目を迎え、地方創生への取組みは本格的な実行段階に移っており、「産官学金労言士」の連携の下、インバウンド需要の取り込みや、雇用の創出、移住・定住の促進など、各地域の特性を活かした取組みが進んでいます。これにともない、私ども地方銀行が果たすべき役割もより深く、より幅広くなっています。こうした役割を十分に果たしていくために、更に研鑽を積んでまいります。
 具体的には、お客さまの事業の本源的な価値や将来性を見極める事業性評価に基づいた提案力を強化し、創業、成長、事業承継などお客さまのライフステージに応じた適切な資金供給や支援を行うことにより、地域経済の持続的な発展に尽力してまいります。この間、政府系金融機関に対しては、民業補完の徹底を引き続き求めていくとともに、必要に応じて地域活性化に向けた連携・協調を行ってまいります。
 また、未だ復旧・復興途上にある東日本大震災や熊本地震、その他の自然災害の被災者の方々の事業の立て直しや生活の安定に向けた支援は、地域経済を支える我々地域金融機関の重要な責務であり、引き続き全力で取り組んでまいります。


(「お客さま本位」の業務運営)
 第2の柱は、「お客さま本位の金融サービスの提供」です。本年3月に公表された「顧客本位の業務運営に関する原則」の精神をしっかりと汲み取り、それぞれのお客さまに適した投資信託・保険商品を販売していくほか、個人型確定拠出年金「iDeCo」や来年1月より開始される「つみたてNISA」の取扱いをつうじて、お客さまの長期安定的な資産形成に貢献してまいります。
 また、FinTech企業との連携・協業などによる利便性の向上、安心・安全な金融インフラの整備などに関しても、お客さま本位の視点に立って取り組んでまいります。
 

(働き方改革)
 第3の柱は、「働き方改革」です。今後、生産年齢人口の減少が加速するなか、女性やシニア層の活躍促進をはじめとした人材活性化は、わが国経済の持続的な成長を実現していくうえで避けては通れない課題です。同時に、AIやICT技術の活用による生産性の向上も急務となっています。
 システムやツールの刷新のほか、ビジネスプロセス、ワークスタイルの見直しなど、会員各行で様々な取組みが進んでいますが、各行のベスト・プラクティスを持ち寄って、こうした動きを業界全体に浸透させていくとともに、各地域のお客さまにも生産性向上につながる取組みが広がっていくよう支援してまいります。


 全国地方銀行協会は、各種関連事項の調査・研究、関係各方面への提言、情報発信、研修事業等の取り組み、会員銀行間の情報・ノウハウの共有などをつうじて、会員各行の経営課題解決に向けた取り組みを積極的に支援し、地域のお客さまのお役に立てるよう誠心誠意努力してまいります。

以 上